2014年08月13日

油津浮立の笛は八本調子?

今年も秋祭りが近づき浮立のけいこが始まった。
油津浮立の笛はいったいどのキー(調子)なのか、が気になって調べている。

そもそも篠笛には、六本調子、七本調子・・・というように標準化されたキー(調子)があるようだ。
六本調子、七本調子、八本調子

写真に写っている篠笛は、
上から六本調子、七本調子、八本調子である。
これらは職人の方が作ったもので、数字が上がるにつれてキー(調子)も高くなっている。

六本調子と七本調子を先に買って、音を確かめてみたがどれも油津浮立の笛とは違った。
どうやら油津浮立の笛はもっと高いキーのようである。
もしかすると「八本調子」ではないか、と思い、今年になって八本調子の笛を買ってみた。


八本調子と油津浮立の笛


両者を吹き比べてみると、残念ながら音が違った。

構造の違いを見てみると、
歌口から一番遠い位置にある指孔(穴)までの距離は、ほぼ同じである。
しかし、歌口から一番近い位置にある指孔(穴)までの距離は、油津浮立の笛のほうが短い。

ギターの場合、同じ弦であっても左手で抑えたフレットの位置で音が変わる。
つまり振動する弦の長さによって音の高さが決まる。
篠笛の場合は、歌口と指孔との距離によって変わるはずだ。

例えば、全部の指孔をふさいだ時は、管の長さが最も長くなり音は最も低くなる。


今回の両者の場合、
全ての指孔をふさいだ時は同じ音が出るかもしれないが、それ以外の時は違った音になるのではないか。

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油津浮立の笛、私が持っている笛は祖父が作ったもの。
素人が地元の山から切り出した竹を使い、
手本となる笛を見て穴の位置を決めて作ったものだ。
標準化された調子とはなっていないのが当然なのかもしれない。


もしも、油津浮立の笛の調子が特定できたならが、
今後は職人の方が作ったものを購入するようにすれば、今後も笛の心配はないと考えていた。
さらには、同じ油津浮立の笛であっても穴の位置や大きさが微妙に違っているため
吹き手の調子が合わないという問題も解消されると思っていた。

この問題は簡単には解決しないようだ。


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Posted by kinkin3 at 09:38│Comments(1)
この記事へのコメント
2014年の8月にこのような記録を残していた。
その後、この件については大きな進展があったので、
ここに記しておく。

油津浮立で使っている篠笛を、熊本県高森町にあるアルカイック工房に預けて、同じキー(調子)のものを新調していただくこととした。
その際、工房の方が油津浮立は十本調子である、と判定してくださった。
つまり、「一」の音がレ(D)になっている。

今年、2019年になって隣の地区である栄町浮立に笛方として参加して、
新たな発見があった。
栄町の浮立も十本調子の笛で吹けるということだ。
Posted by kinkin3 at 2019年09月29日 10:25
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